「おい、山崎はどこだ」
少し苛立った声でそう問われてウンザリする。
「裏でミントンしてますぜ」
本当はすごく嫌だったがそれでも仕方なく教えてやれば、大声で名前を呼びながら裏へバタバタと駆けていく。
「二言目には『山崎』って、バカですかィ」
そんなに傍に置いておきたいのなら、居場所くらいは自分で把握しておけばいいのだ。
誰にも尋ねずこっそり迎えに行けばいいのだ。
「……バカですかィ」
自分が呼びに行くよりもずっと嬉しそうな顔をするのを知っているから、今日もこうしてその居場所を教える自分は本当に、 。
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