散り行きし 花に色香はおとれとも 同し心の 散る桜花
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
これ以降あとがきになります。
当初は6話、7話で終わる予定だったのが、何がどう延びたのか全10話になりました。「花に色香は劣れども」、無事完結できてほっとしております。
連載一話を書いたのは05年の春くらいだと思います。その頃はただ漠然と、山崎と高杉って昔出会ってたらいいよね。くらいの気持ちでした。多分。当時のサイトで高山を書きながら、どうしてもこの二人に接点を作りたくて考え出した捏造でした。高山をやってらっしゃるところではメジャーな裏設定かな?とも思っています。山崎IN攘夷な過去。
そんな一話を書きなぐったものを見つけたのが、08年春。あの時考えてた捏造をどうにかして形にしたいなーと思っていたら、なんとびっくり一話が書いてあったので、もうこれはやるしかないな、と。書いた記憶すらもなかったです、実は。
大体の大筋を決めて書き始めて、一番迷ったのは他の攘夷派を絡ませるかということでした。山崎のことを知るパターン、山崎のことは知らず最後の高杉を助けるパターンの2種類が一応あったんですが、結構悩んで結局はご登場願わずに終えました。
高杉と山崎だけの思い出を、高杉だけが持っているという形にしたかったので。他の誰も知らないから、他の誰に証明してもらうこともできない。相手も覚えていない幻の記憶。
それを引きずっている高杉と、何も分からず高杉に魅かれてしまう山崎が、短編で連ねているものです。
この連載はそもそもが、短編の裏設定を補足するために考えたものです。山崎が土方を裏切って高杉側へ付けない理由と、高杉が山崎を強引に連れ去れない理由が、この連載の中でお見せできたらなと思って書きました。
もちろん、この連載一つで一つのお話ですので、これだけ切り離して楽しんで頂いても構いません。読んでくださった皆様がそれぞれの感想を持ってくだされば何より嬉しいです。
今後は原作の時間軸に戻って、また短編での続きになるかと思います。
よろしければ、そちらもよろしくお願い致します。
ちなみに、タイトルの「花に色香は劣れども」はこのページ冒頭の句から引用しております。本家高杉晋作さんが詠まれたものです。
内容自体とはあまり関わりがないのですが、素敵だったので使わせて頂きました。
高杉さんの詠まれる歌はどれも素敵で大好きです。
それでは、本当に、ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
「花に色香は劣れども」は皆さまのおかげで形にすることができました。
ありがとうございました!