何故だと言われましても、困るんですよ。理由などないのです。
ああ、そんな顔をしないでくださいね、俺の方が困ってしまう。
言うなれば、そうですね、どうだろうな……
そもそもね、俺には思想なんてもの、ありはしないのですよ。
何が良くて何が悪いかっつーことでさえ、あまり深くは考えたりしないのです。
思想と言うなら、俺にとってはあんたの存在が思想のようなもので、俺はあんたに惚れてるんですよ。……あ、勘違いしないでくださいね。愛だの恋だのといった生っちょろいもんじゃあ、ないのです。断じてそんな、ふわふわっとしたものではなくて、なんだろうな。
でも、やはり、恋のようなもんなんでしょうかね。あんたの傍にいたいと、焼け付くくらいに思っているのです。あんたこそが俺の正義で、俺はそれを守って傍に置いてもらいたいな、と、焦がれるくらいに思っている。
理由というならそれが理由で、それ以外、明確な何かなどありゃしないのです。
だから、ね、お傍に置いてくださいよ。
殴ってもいいです蹴ってもいいです。道具のようにめちゃくちゃに使って、壊れてしまった後は捨ててくれたって構いません。
だから、使えると思える間中は、傍に置いてくださいよ。勝手に使ってくださいよ。あんたのために、死なせてくださいよ。
思想というなら、それが俺の思想です。
俺はあんたが好きなんですよ。途方もなく。
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