俺ァな、お前のことが好きなのさ。
ガラスの箱ン中閉じ込めて俺だけが見えるようにして飾っておきてェって思うくらいには、お前のこと好き。お前のこと宝物みたいに大事にしてェって、そういう風に思ってんだ。
でも、お前がこうやって寝てるときくらいにしか、言えねェの。何故って? だってそうだろ? お前に聞こえるように言って、お前に拒絶されンのが、俺はすげえ怖ぇんだ。変に意識されて遠ざけられんのが、すげえ怖い。
……すげえ、怖ぇんだよ、俺は。お前のこと好きでいるのが、たまらなく怖ぇんだ。
だから、もし聞こえてたとしても、聞こえなかった振りしてくれよ。もしバレちまったとしても、気付かない振りしてよ。
俺は勝手にお前のこと大事にして、勝手にお前を好きでいるから、お前は土方にくっついていつもきゃっきゃしていなせェよ。いじめられたら逃げておいで。そんときは、馬鹿みたいに甘やかしてあげまさァ。
ね、それでいいんだ。それでいい。俺ァ、お前のことが好きだから、好きすぎるから、それっくらいが丁度いいんだ。
なぁ、どんな夢見てんのかなぁ。お前が今見てる夢に、俺がちっとでも出てきてくれてたら、嬉しいんだけどなァ。