ええ? まあ、うん、そうかも。そうだね。副長はねえ、俺んこと好きだよ。
あ、何、その顔。おめーが聞いたんだろ。え、違わないって。そういうことじゃん。特別扱いって、そういうことじゃねーの?
ストレス発散はさァ、あれはさァ、させてやってんじゃん、俺が。副長がさァ、こう、苛々してくんじゃん。苛々してくるときあんじゃん? ああいうときって放っとくとさ、外で余計に喧嘩してきたりとか、仕事しすぎたりとか、煙草吸いすぎたりとか、すんじゃん? 知らねーの? すんだけどさァ、そういうこと。でもそれってやっぱ良くねえからさァ、俺が目の前でふざけたら殴りに来るだろうし、殴ったらストレスも発散されるだろうしっていう。
えー? うん、まあそりゃあ痛ェけど、まあ、慣れたし。つうかあれで、見た目ほど痛くねえよ? あんま跡とか残んねえしさ。あれであの人変に頭いいからさ、俺に傷残すと自分が困るって、知ってんの。え? ちげーよ、ノロケじゃなくてさ、特徴残ったらやべーだろ。おめーみたいなハゲ的な特徴持ってっと潜入してもすぐにバレるからね。……あー、はいはい、何、おしゃれハゲ? スキンヘッド? はいはい。
んだからさ、あの人は俺のことすげー好きなわけ。あー? 繋がってんじゃん、ちゃんと。そんだけひでえのにさ、たまにすっげ優しいもん。普段あんまりにもひでえことばっかされてっからさァ、たまに優しくされるとクるんだよね。DV? はは、そうかも。
えー? 酔ってねーよ別に。酔ってない酔ってない。
だから酔ってねーって……あ、ふくちょう!
ふくちょ、副長! ちょっと、ね、飲んでいきません? いい酒手に入ったんですよー。
こないだ忍び込んだとこがすげえ酒持ってて、くれたから貰っちゃいました。毒見したし、ハゲが。どうです?
……え、あ、はい、すいません。……わかりました。じゃあ、片づけたらすぐに。すいませんってば。すぐに行きますから。ふは、はい、わかりました。じゃああれも、持ってきますね。
…………さて、悪ィな原田。じゃあ俺行くわー。え? あれ? ああ、違う違う。あれね、嫉妬してんの。そう、お前に。嫉妬っつーか、面白くねーんじゃねえの? あの人ほっぽって俺がこうやって楽しげに酒盛りしてんのが。可愛いよねえ。
はは、だからさァ、言ってんじゃん。あの人、俺んこと大好きなんだってば。